妊娠前の体づくりに、歯科検診を。

2026年10月13日 16:06
カテゴリ: 妊活



「妊娠に向けて、食事を見直したい」
「睡眠や生活習慣を整えたい」

妊娠前の体づくりを考えるとき、栄養や生活習慣と一緒に気にかけていただきたいのが、歯や歯ぐきの健康です。

口は、毎日食べ物が入ってくる場所。
そして、口の中の細菌や炎症は、腸や全身の健康とのつながりも研究されています。

今回は、妊娠前に歯科検診を受ける意味と、今日からできる口のケアについてお伝えします。



【 妊娠前に、歯と歯ぐきの状態を確認しておきましょう 】

妊娠中は、女性ホルモンの変化によって歯ぐきに炎症が起きやすくなります。

さらに、つわりで歯みがきがつらくなったり、食べられるものや食事の回数が変わったりすることもあります。
嘔吐による胃酸も、歯の表面に影響します。

妊娠前は、今の口の状態を確認し、必要な治療やケアを始めるよい機会です。

虫歯の治療、歯石の除去、歯ぐきの状態の確認。
自分に合う歯みがきの方法を教えてもらうことも、妊娠中のケアを続ける助けになります。



【 歯周病は、歯ぐきに起こる炎症です。】

歯周病は、歯に付着する歯垢の中の細菌によって、歯ぐきや歯を支える組織に炎症が起きる病気です。
進行すると、歯を支える骨などにも影響します。

「歯みがきで血が出る」
「歯ぐきが腫れている」
「口臭が気になる」

こうした変化は、歯ぐきの状態を確認するきっかけになります。

虫歯や歯周病は、初期には自分で気づきにくいこともあります。
定期的な歯科検診で、歯と歯ぐきの両方を見てもらうことが大切です。



【 口の細菌は、どのように全身と関わるのか? 】

口と全身のつながりには、いくつかの経路が研究されています。
ここでは、消化管を通じた経路と、歯ぐきから血流を通じた経路をご紹介します。




〇唾液と一緒に飲み込まれ、腸へ届く経路

私たちは毎日、唾液と一緒にお口の細菌を飲み込んでいます。

この「口から腸へ」というつながりも、全身の健康を考えるうえで注目されています。

マウスを使った研究では、代表的な歯周病菌を口から投与すると、腸内細菌のバランスが変化し、腸のバリア機能に関わる変化や、全身の炎症、インスリンの働きに影響が見られました。

腸のバリア機能とは、腸の内側と体内を隔て、体に取り込むものを調節する働きです。

この研究は、歯周病菌が腸内環境を通じて全身に影響する可能性を調べたもの。
口と腸をつなぐ仕組みの解明が進められています。



〇歯ぐきから血流に入り、胎盤へ届く経路

炎症のある歯ぐきから細菌が血流に入り、胎盤へ届く可能性も研究されています。

代表的な口腔細菌の一つに、「フソバクテリウム・ヌクレアタム」という菌があります。

この菌を妊娠マウスの血管に投与した実験では、菌が胎盤の血管から周囲の組織へ入り、羊水へ広がって、早い時期の出産などにつながる様子が確認されました。

胎盤や卵膜は、赤ちゃんの成長を支える大切な組織です。
そこで細菌が増殖し、免疫が反応して炎症が起こることが、妊娠への影響を説明する仕組みの一つとして研究されています。

人でも、切迫早産のある妊婦さんなどを対象とした研究で、胎盤から歯周病に関わる細菌が検出され、妊娠の経過との関連が調べられています。

お口の健康を守ることは、口の中の炎症や感染をケアすることでもあるのです。


【 歯周病と、早産・低出生体重児との関連】

人を対象とした研究では、妊娠中の歯周病と、早産や低出生体重児の出産との関連が報告されています。

先ほどご紹介した血流を通じた細菌の移動や、炎症に関わる物質の働きが、その背景にある可能性として考えられています。

こうした研究を踏まえ、日本産婦人科医会も、妊娠前からお口の環境を整え、妊娠中も歯科受診による予防や早期治療を行うことの大切さを伝えています。

妊娠前の歯科検診は、ご自身のお口の状態を知り、これからのケアを考えるための一歩になります。




【 虫歯のケアも、食事を楽しむための大切な準備 】

虫歯は、歯の硬い組織が傷んでいく病気。
進行すると、痛みや感染が起き、治療が必要になります。

歯が痛むと、食事の時間がつらくなったり、食べやすいものに偏ったりすることもあります。

妊娠前の体づくりで食事を大切にするなら、その食事をかんで楽しめる口の状態にも目を向けたいですね。

しみる、かむと痛い、詰め物が取れているなど、気になることがあれば歯科医院で相談しましょう。





【 今日からできる、お口のケア 】

1.歯ブラシと、歯の間の清掃を組み合わせる


歯と歯の間は、フロスや歯間ブラシを使って1日1回清掃することが勧められています。



2.甘いものをとる時間にも目を向ける

甘い飲み物を長時間かけて飲む、甘いものを何度もつまむなど、食べ方や飲み方も振り返ってみましょう。

妊娠中、つわりで少量ずつ食べるときは、食べられることを大切にしながら、食後に口をゆすぐなどのケアを取り入れてください。

3.定期的な検診とクリーニングを受ける

毎日のケアに、歯科医院での検診やクリーニングを組み合わせる。

歯や歯ぐきの状態を確認しながら、自分に合う受診間隔を相談しておくと、ケアを続けやすくなります。




【 妊娠中も、歯科医院に相談できます。 】

妊娠中も、必要な歯科治療を受けられます。

受診時には、妊娠週数、使用中の薬、産婦人科で伝えられている注意点を知らせてください。不妊治療中や妊娠の可能性があるときも、そのことを伝えて相談しましょう。

つわりで歯みがきがつらいときは、体調のよい時間帯にみがく、小さなヘッドの歯ブラシを使う、口をゆすぐなど、できる方法を取り入れてみてください。

痛みや腫れがある場合は、早めに歯科医院へ相談してください。





ꕤ.。ひだまりが大切にしている、妊娠前の体づくり.。ꕤ

ひだまりでは、妊活中の方をサポートするとき、病院での治療の経過とともに、ご本人の体調や毎日の生活を大切にしています。

体を支える食事。
疲れを回復する睡眠。
ほっと息をつける休息。
そして、歯や歯ぐきの健康を守ること。

こうした毎日の積み重ねが、ご自身の健康を支えていきます。

妊活をきっかけに始めたケアが、妊娠中や出産後、さらにその先の暮らしにも続いていく。
そんな体づくりを、一緒に考えていきたいと思っています。

歯科検診をしばらく受けていない方は、次の検診を予約するところから始めてみませんか?




妊娠の、その先まで。

これからを支える体づくりの一つとして、お口の健康も大切にしていきましょう。

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